ライン川
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ライン川
II. 流路

ライン川は深い峡谷をながれるアルプスの激流から生まれる。最上流部のスイス・アルプスの高地では、フォルダーライン川とヒンターライン川にわかれているが、この2つの流れはスイス北部のクールの近くで合流する。雪と氷河の水をあつめてながれるため、水量は春と夏に最大になる。川の流れはボーデン湖を通過するとき穏やかになるが、西にむかってバーゼルまでは急流である。ボーデン湖の西、シャフハウゼンの近くには、幅185m、落差23mの壮大なライン滝がある。

バーゼルで北に方向を転じたライン川は、オーバーライン地溝をながれる。西のボージュ山地と東のシュバルツバルトにはさまれたこの地溝の谷底は平坦(へいたん)で、最北端に位置するフランスのストラスブールで、ライン川はパリ盆地に通じる運河と合流している。

ライン川はドイツのマインツでマイン川と合流する。ここから下流では、季節により水量が変化することはあまりなくなる。ビンゲンからボンの少し南まで、両側が急斜面となっているライン峡谷をながれる。この峡谷は絵のようにうつくしく、しばしば歴史やロマンの舞台となっている。マインツ~コブレンツ間の「ロマンティック・ライン」は2002年に世界遺産(文化遺産)に登録され、その急斜面にはブドウの段々畑があり、絶壁の上にたつ古城を遠望できる。ザンクトゴアールの近くには有名なローレライがある。ドイツの詩人ハイネに詩想をあたえた巨大な岩ローレライのあたりで、ライン川は川幅約146m、水深23mとなる。

ボンの下流で、ライン川はドイツのノルトラインウェストファーレン州を横切る。この地域のライン川沿いの主要都市として、ケルン、デュッセルドルフ、そしてルール川との合流部にあたるデュースブルクがある。ルール川にそったライン右岸地域は、世界でもっとも産業活動が集中した地域のひとつである。ルール

オランダ国境では、川幅は約650mと広くなり、この地点からレク川とワール川という2つの並行した流れにわかれる。これらの流れは沼や沢の多い広大な平野を横切り、北海にむかって巨大な三角州をかたちづくる。1986年に策定されたデルタ計画によって、2つの主要な水路はせきとめられ、川の水を流出させるための水門とかわりの水路が建設された。ライン川と北海をむすぶ主要な連絡路は1872年に建設された新水路で、これによってロッテルダムはヨーロッパ随一の重要な港になった。ライン川河口部の三角州地域は、多くの場所が海面と同じ高さか、海面よりも低くなっている。しかし堤防の建設によって、この地域はヨーロッパでもっとも人口が集中した、そしてもっとも重要な経済地域のひとつとなった。