繊維
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III. 植物繊維

植物繊維のほとんどはセルロースである。動物繊維のタンパク質とことなり、アルカリとほとんどの有機酸には耐性をもっているが、強い無機酸では分解する。漂白剤の使い方をまちがえると、いたんだり切れたりする。

1. 植物繊維の種類

植物繊維にはおもに4つのタイプがある。種子の周囲をとりまくやわらかい毛は種子繊維、双子葉植物の樹皮と幹の間にある丈夫な繊維は靭皮(じんぴ)繊維、単子葉植物の葉と茎にある丈夫な繊維は維管束繊維(維管束)といい、さらに植物茎繊維がある。それ以外に、用途はかぎられるがラフィアのような葉の皮をはいだもの、ココヤシやヤシの繊維のように果実の外皮の繊維がある。

2. 木綿

商業的に重要な種子繊維は、綿花からとれる綿とカポックの2つである。綿の繊維はワタの種子の莢(さや)の中でそだち、織物産業でつかわれる唯一の種子繊維である。綿花には何種類かあり、それによって繊維の長さがちがう。長いステープルの繊維は細くて強い糸になり、良質の布をおることができる。短いステープルの繊維は耐久性のある布用のあらい糸となる。綿の糸は染色やプリントが簡単で、豊富な色とデザインの布を生産することができる。カポックは紡績はできないが、室内装飾用材料としてつかわれる。中が中空になっているので水にうきやすく、かつては救命用の浮きの装置につかわれていた。

3. 靭皮繊維

靭皮繊維は種類が多く、目の細かい織物からロープまで幅広く使用されている。リネン布はアマから、アサやジュート、ラミー、サンヘンプからは目のあらい布やロープができる。日本でできるミツマタやコウゾの靭皮繊維は和紙の原料になる。

4. 維管束繊維

維管束繊維にはリュウゼツラン(サイザル)、ヘニケン、マニラアサ、ユッカなどがあり、ほとんどがロープの材料となる。エスパストやイグサの茎、麦わらは帽子や敷物、畳表につかわれる。また、パイナップルは、かつては衣料品にもつかわれた。

5. 製紙原料

製紙(紙)にも広く植物繊維がつかわれている。綿やアマは目の細かいラグペーパーにつかわれ、アサ、ジュート、マニラアサもラッピングペーパーやそのほかの目のあらい紙の材料になる。新聞紙やクラフトペーパーは、木材繊維に適当な化学処理をしてつくる。木材繊維とバガス(サトウキビの繊維)は紙にすることもでき、似たような工程で建材にもなる。