フィンランド
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フィンランド
VII. 政治

フィンランドは、大統領を国の元首とする共和国である。憲法は1919年に制定、80年代から数次にわたり改正されて、大統領権限は弱まっている。

1. 行政・立法・司法

大統領は直接選挙でえらばれ、任期は6年、2期までにかぎられる。選挙権は18歳以上の国民にあたえられている。大統領は、政府の提案にもとづいて事案を決定する。議会で採択された法案を拒否することができるが、法案の再決定権は議会にある。政府は、議会に対し責任をもつ。政府の活動を指揮する首相は、議会で選出され、大統領により任命される。他の閣僚は、首相の提案にもとづいて大統領が任命する。なお、司法長官(大統領が任命)が、政府と大統領の行為の合法性などを監督し、閣議にも参加する。

議会は一院制で、比例代表制の直接選挙により選出される200名の国会議員で構成されている。議員の任期は4年。

民事および刑事裁判は、地方裁判所、控訴裁判所、最高裁判所であつかわれる。このほか、行政をめぐる異議や訴訟をあつかう地方行政裁判所、最高行政裁判所がある。

2. 政党と地方自治

おもな政党には、中道左派の社会民主党(SDP)、小規模農家の支持をうけ、自由経済を擁護している中央党(Kesk)、人民民主同盟と共産党が合併してできた左翼同盟(V)、民間企業の擁護者である国民連合(Kok)、スウェーデン系住民を代表する中道右派のスウェーデン人民党(SFP)がある。

地方行政は、地方自治体である約450の市町村と、国の地方機関である6つの州の2層構造になっている。州の行政権は大統領が任命した知事にある。また、州議会の議員は、政党の推薦などにもとづいて中央政府が任命する。ただし6州のうち、広範な自治権がみとめられているオーランド自治州では、議会のメンバーは住民によって選出され、議会は、知事とともに行政権を行使する組織である執行委員会の委員を順番に選出する。

3. 厚生

社会福祉制度には、老齢年金、医療保険、失業保険、家族・児童扶助、戦災保障などがふくまれる。以前は、医療は職場でおこなわれることが多かったが、1972年の健康法で全国の市町村に医療センターをもうけることや、医療費の無料化などが規定された。

4. 防衛

徴兵制がしかれ、18歳以上の男子に6~12カ月の兵役が義務づけられている(女子は志願制)。憲法は良心的兵役拒否の権利もみとめている。陸、海、空軍があるが、1947年のパリ平和条約で総兵力は最高4万1900人に制限されている。2004年の兵力は、陸軍2万500人、海軍5000人、空軍2800人、有事に動員できる予備役は約40万人である。1994年、NATO(北大西洋条約機構)加盟への第1段階として、PFP(平和のためのパートナーシップ)協定の枠組み文書に調印した。