X線
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X線
II. X線の本性

X線の波長が短いほど、エネルギーが大きく、透過力も大きい。波長の長い、紫外線に近いX線は軟X線とよばれる。波長の短い、硬X線とよばれるX線は、ガンマ線と領域が一部重なる(スペクトル:放射能)。1つの波長からなるX線は単色X線とよばれ、いろいろな波長のX線が混合したものは白色X線とよばれる。光もX線も、原子の軌道電子が遷移するときに放出される。光は外側の電子、X線は内側の電子の遷移によって発生する。強い電場をくわえた制動放射の場合は、自由電子の減速や偏向によって発生する。ガンマ線はX線と同じようなものであるが、励起された原子核のエネルギー遷移によって発生する点がちがっている。原子

X線は、高速の電子が物体に衝突すると発生する。電子のエネルギーの多くは熱によってうしなわれるが、残りのエネルギーが衝撃によって標的原子の中に変化を生みだし、X線を発生させる。放出されたX線は、それをつくりだした電子の運動エネルギー以上にはなりえない。放出されたX線は単色X線ではなく、広範囲の波長からなる連続スペクトルをしめす。短波長の側は、衝撃電子線の最大エネルギーに対応して鋭い端がえがかれる。この連続スペクトルは制動放射とよばれ、ドイツ語では「ブレーキ」という意味の「ブレムス・シュトラールング」とよばれ、標的の性質に関係ないものである。このように放出されたX線をX線分光計にとおすと、連続スペクトルの上に重なって、明確な線スペクトルが観察される。これらの線は特性X線とよばれ、標的原子の原子構造によってのみ決定される波長をあらわしている。つまり、高速の電子線が標的をたたくとき、自分自身のエネルギーよりも小さいエネルギーのX線を発生させる制動放射がおこなわれるとともに、標的原子に特定の波長のX線をも発生させるのである。