X線
印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。
X線
IV. X線の性質

X線は光と同じように写真乳剤を感光させる(写真)。物質によるX線の吸収は、物質の密度と原子量に依存する。原子量が小さい物質ほどX線に対して透明となる。人間の身体にX線があてられると、筋肉よりも重い元素でできている骨のほうがよけいにX線を吸収し、写真乾板に暗い影となってうつる。なお、X線と対照的なのが中性子線放射で、X線写真で影となってうつる物質は、中性子線写真では明るくうつる。

1. 蛍光

X線はまた、白金シアン化バリウムや硫化亜鉛などの材料に蛍光を発生させる原因となる。このような蛍光材料をぬった蛍光板を写真フィルムの代わりにおくと、不透明な物体の内部構造が直接目にみえるようになる。この技術は蛍光透視法とよばれる。

2. イオン化

X線のもうひとつの重要な性質はイオン化をおこす能力である。イオン化の強さはX線の波長によってきまる。単色X線によるイオン化の強さはそのエネルギーに正比例する。この性質により、X線のエネルギーをはかることができる。X線が電離箱にみちびかれたとき(粒子検出器)、入射線のエネルギーに比例した電流がながれる。ガイガー・ミュラー計数管やシンチレーション計数管のようなもっと感度のよい装置でもイオン化を利用してX線のエネルギー測定をおこなっている。さらにイオン化の性質を利用して霧箱でX線の通路を肉眼で観察することもできる。

3. X線回折

X線を結晶内で透過させたり反射させたりすると、回折現象をおこす。結晶の規則正しい原子の格子が回折格子の役割をはたすからである。X線の回折を写真にとらえた干渉図形は、入射X線の波長を測定したり、結晶の原子間間隔を測定したりするのにもちいられる。