| 暗黒物質(ダークマター) | 項目ビュー | ||||
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| III. | 暗黒エネルギー |
今のところ、こうした目にみえない物質の存在を裏付ける証拠としては、宇宙背景放射の揺らぎや、重力レンズ効果をおこしている銀河の観測、大銀河を周回する小銀河の軌道のずれといった間接的なものしかない。しかし、暗黒物質が宇宙の構成要素のひとつであることは、広く研究者に認知されている。そして、宇宙を構成する要素は、星(恒星)や惑星、星雲など目にみえる物質が約4%、目にみえない暗黒物質がおよそ23%を占めていると考えられている。また、残り73%を占めるのが暗黒エネルギー(ダークエネルギー)とよばれる未知のエネルギーだが、この暗黒エネルギーは、重力にさからうようにふるまい、宇宙の膨張を加速していると研究者は考えている。→宇宙の「宇宙の膨張」
暗黒物質や暗黒エネルギーを構成している物質の候補はいくつか考えられているが、まだ確定していない。かつては、褐色矮星とよばれる太陽よりも小さな星や、中性子星やブラックホールなど星の残骸(ざんがい:→ 星の進化)も候補にあげられていたが、これらが宇宙全体に存在すると考えられる数や質量は、観測がすすむとともに暗黒物質がもつ質量にはおよばないことがわかってきた。
その結果、暗黒物質や暗黒エネルギーの正体は、宇宙が膨張する過程でとりのこされた素粒子であると考えられるようになった。そして、電磁波で観察可能な荷電粒子ではなく、電気的に中性で、ほとんどほかの粒子と相互作用をせず、質量が大きな、光よりも速度のおそい(コールドな)素粒子だとみられている。しかも、すでに発見されている標準モデルの素粒子ではなく未発見の超対称粒子だとみられ、なかでもニュートラリーノ(neutralino)とよばれるフェルミ粒子(フェルミオン)が有力視されている。ニュートラリーノは、ジィーノ(zino)、フォティーノ(photino)と中性ヒッグシーノ(higgsino)の混合状態(質量固有状態)の粒子で、スピンが1/2、質量が陽子のおよそ100倍以上、4つの力(→ 統一場理論)のうち重力以外にはほとんど反応しないとみられている。