アキテーヌ
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アキテーヌ
II. 地形と気候

ピレネー山脈とマシフサントラル(中央山地)に源を発する数多くの川はやがてガロンヌ川にながれこむ。アキテーヌは主としてこのガロンヌ川の本支流の流域に位置し、第三紀の堆積(たいせき)層からなるアキテーヌ盆地が大半を占めるが、それぞれことなった景観をもつ4つの地域からなりたっている。北から、ペリゴール、ボルドレ、ランド、ピレネーの地方である。

ペリゴール地方は、北はリムーザン、東はケルシー、南はボルドレの各地方にかこまれ、現在はドルドーニュ県となっている。マシフサントラルの西の支脈である白亜紀の石灰岩台地で、水はけがよく、イゼール川、ドルドーニュ川などが多数の渓谷をつくっている。

ボルドレ地方はほぼジロンド県に一致する。広大な石灰岩の地層で、ところどころにガロンヌ川の支流のはこぶ土砂が堆積層をつくっている。この平野は、北のシャラント地方の石灰質の平野から、南のランド地方の砂地への移行型である。

ランド地方はその名(「荒れ地」の意)のしめすとおり、大西洋岸に230kmの底辺をもつ三角形の広大な砂質の台地で、砂は第四紀の氷河によってピレネー山脈からけずりとられはこばれてきた。50cmの厚さで堆積して褐色の砂岩の地層となり、雨水の浸透をさまたげている。そのため、長い間ランド地方は、水はけがわるく、雨がふるとすぐ湿地にかわる不毛の土地だった。しかし、19世紀の第二帝政時代(帝政)に、シャンブルランという技師が、広大な土地を灌漑(かんがい)し、同時に松を植林し、砂丘が内陸におよぶのを防止した結果、かつての荒涼とした風景は姿をけした。

ピレネー地方の南部はピレネー山脈の西部にあたり、地形は起伏にとみ、樹木におおわれ、近づきにくい。最高峰はピレネー・ザトランティク県南端に近いピック・デュ・ミディ・ドッソウで標高は2884m。北側のランドに近い辺りは、山容もなだらかになり、標高もリューヌ山地で900mと低くなっている。アドゥール地方になると丘陵にかわる。ピレネー地方の南西端はバスク地方である。

アキテーヌのガスコーニュ湾岸は、コート・ダルジャン(銀海岸)とよばれ、まっすぐな海岸線がのび、それに平行して5kmの幅で砂丘がつづいている。そのため川は海にながれこめず、ビスカロス湖などの潟湖をつくっている。アルカション湾だけは海に開かれているが、砂州があるため大きな船が湾にはいることはできない。

気候は温暖な海洋性気候で、四季を通じてあたたかく、湿度も比較的高い。降水量は冬にもっとも多く、月間約120mm、7月がもっとも少ない。しかし、アキテーヌの中でも、地域によって違いがあり、リムーザン地方に接する地域は、雨が多く、マシフサントラルからの冷たい北東風のため気温も低い。ボルドレ地方は平均して年間2200時間近い日照があり、四季を通じて適度な雨にもめぐまれ、ブドウの栽培に最適である。